魚市場ブログ
香川県のオリーブサーモン
今日は香川県で育てられているオリーブサーモンについて紹介したいと思います。
オリーブサーモンの養殖が始まったのは2011年のことだそうです。東日本大震災によって東北沿岸部のサーモン養殖場が大きな被害を受け、稚魚生産者たちは出荷先を失ってしまいました。そんな中、香川県の漁業関係者が被災地支援の意味も込めて稚魚を購入し、香川でのサーモン養殖がスタートしたのです。こうした背景には、香川県の温かい支援の気持ちがあったんですね~
オリーブサーモンの特長は、香川県産のオリーブの葉の粉末を混ぜた餌を与えて育てることです。オリーブの葉には「オレウロペイン」というポリフェノールが豊富に含まれており、これがサーモンの肉質を改善してくれるのだとか。結果として、適度な脂のりとさっぱりとした味わい、そして歯切れの良い食感を持つサーモンが誕生します。こんなに工夫された養殖方法があるなんて、本当に驚きです!
オリーブサーモンの魅力はその鮮度にもあります。活け締めにして出荷するため、1〜2日後には店頭に並ぶのです。このスピード感は輸入サーモンにはない強みですね。鮮やかなオレンジ色とぷりぷりの身質、そして魚独特の臭みが少ないさっぱりとした味わいが特徴です。これなら魚が苦手な人でも美味しく食べられそうです。
オリーブサーモンは、瀬戸内海の波が小さいが潮の流れが速い環境で育てられます。栄養をたっぷり蓄えて元気いっぱいに育つのです。12月には体長25cm程度、重さ400gのトラウトサーモンの種苗を生簀に入れて育成を始め、最適な水温と波浪の少ない環境のおかげで、他の地域では8ヶ月かかる育成期間が、瀬戸内海では約5ヶ月で完了します。こんなに短期間で育つなんて、瀬戸内海の環境がいかに適しているかが分かりますね。
現在、香川県内の引田、鴨庄、直島の3地区でオリーブサーモンが生産されています。本物の生サーモンのおいしさを届けるため、水揚げ期間も4月から5月までの約2ヶ月間と短めです。5月も半月で終わり、オリーブサーモンの出荷期間も残りわずかとなってきました。この時期にしか味わえないオリーブサーモンを食べてみてはいかがでしょうか?