魚市場ブログ

金蔵院と鮭塚供養 – 磯子の地で継がれる伝統

2024年11月12日

11月11日、毎年恒例の鮭塚供養が磯子区の金蔵院にて執り行われました。
横浜市中央卸売市場の水産部関係者が集い、鮭をはじめとする海の恵みに感謝を捧げる供養の様子をお伝えするとともに、この供養の歴史についてもご紹介します。

金蔵院の起源
金蔵院の歴史は、鎌倉時代に遡ります。京の高尾に住んでいた明恵上人から薬師如来像を授かった北条泰時が、その像を安置するために磯子と岡村の境に霊雲山龍錫寺を建立したのが始まりとされています。その後、嘉暦3年(1328年)に理空上人が中興し、現在の「海向山 金蔵院」として再興されたと伝えられています。

観音堂
金蔵院の本堂の左側には、朱色が鮮やかな「観音堂」が立っています。この堂は磯子観音として知られ、昭和48年に妙義神社の護摩堂を移築したものです。安永8年(1779年)の棟札が残る歴史ある建物で、御本尊として如意輪観世音菩薩が祀られ、さらに横浜磯子七福神の一柱である弁財天も安置されています。

(本堂)

(観音堂

弁天の岩窟
観音堂の左手にある岩窟には、もう一体の弁財天が祀られており、こちらも多くの参拝者を迎えています。弁財天は水と財運を司る神として信仰を集め、金蔵院を訪れる人々に安寧と繁栄をもたらす場所とされています。

鮭塚の特別な存在
金蔵院には「鮭塚」という、全国でも珍しい鮭を供養する塚があります。この塚は、昭和3年に横浜市戸塚区にある妙法寺で魚介類全般の供養のために建立されましたが、後に横浜市中央卸売市場の水産部が管理を引き継ぎ、1978年に現在の金蔵院に移されました。毎年11月11日の鮭の日には、市場関係者が集い、鮭や海の恵みに感謝の意を捧げています。

現代における意義
鮭塚供養は、海の恩恵に対する感謝と自然への敬意を象徴する行事です。現代においても、多くの人々がこの特別な日を大切にし、自然と人との共存の大切さを再確認しています。世間では「ポッキーの日」としても知られる11月11日ですが、この鮭の日も私たちの文化と歴史を忘れず、後世に伝えていく重要な日として守られています。

 

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