魚市場ブログ
輸入牡蠣の可能性
最近、 アイルランド産の牡蠣が5年ぶりに輸入再開 されたというニュース。
業界新聞を読んでいたら、横浜市中央卸売市場の仲卸「日本石花」さんがこの輸入に大きく関わっている とのことで、これは気になる!
日本石花さんは、もともと 生鮮殻付き牡蠣の輸出をメイン にしていた会社ですが、2024年10月から本格的に輸入事業もスタート しました。
しかも、アイルランド産だけでなく カナダ・オーストラリア産の牡蠣 も取り扱いを予定しているとのこと。
(アイルランド産牡蠣)
では、なぜ海外産の牡蠣を日本に輸入しようとしているのか?
その理由は 訪日外国人向けの需要 です。
東南アジアのオイスターバーでは 欧米産の牡蠣が当たり前のように提供 されていて、海外からの観光客が自国の牡蠣を求めて注文する姿がよく見られるそうです。
河合社長によると、「日本人が海外に行ったときに和食を求めるのと同じで、外国人観光客も母国の牡蠣を食べたくなるのでは?」という考えがあり、日本でも海外産牡蠣を取り入れることで、そうしたニーズに応えられるのではと判断したとのこと。
確かに、日本のオイスターバーでは ほとんどが国産牡蠣 で、海外産の牡蠣を提供しているところは少ないですよね。
だからこそ、ここに 新たなビジネスチャンス があるのでは? ということで、日本石花さんが本格的に動き始めたというわけです。
輸入した牡蠣は 市場内に設置された専用の浄化水槽 で徹底管理されています。
牡蠣は産地ごとに環境が異なり、浄化の方法も違ってくるため、適切な処理をすることで品質を保っているとのこと。
こうした設備が整えられていることで、安心して海外産の牡蠣を流通させることができるわけですね。
現在、この輸入牡蠣は 北海道ニセコのレストランや、東京・神奈川のオイスターバー などで提供されているそうですが、今後はさらに販路を拡大する予定だそうです。
河合社長は「まずは年間30トンの輸入を目指し、日本市場に海外産の牡蠣を広めていきたい」と意気込んでいます。
市場で働く身としても、これからの展開にはとても興味があります。
日本ではやはり 国産牡蠣の存在感が圧倒的 ですが、海外産牡蠣が増えることで、「牡蠣の食べ比べ文化」 も広がるかもしれません。
また、日本の牡蠣は 夏場に生食用の流通が少なくなる ため、その時期にカナダやオーストラリアの牡蠣が流通すれば、一年を通して安定して美味しい牡蠣を楽しめる というのも大きなメリットです。
海外産の牡蠣が今後どれくらい市場に定着するのか、日本の消費者にどこまで受け入れられるのか、今後の動きがとても楽しみです。
国産と海外産、それぞれの魅力を活かしながら、市場がさらに盛り上がることを期待したいですね!