魚市場ブログ
コバンザメの驚きの生態
2025年02月06日
バンザメって何者?
名前の由来
コバンザメの名前は、頭にある吸盤の形が江戸時代の貨幣「小判」に似ていることに由来しています。この吸盤を使って他の生物にくっつく習性が特徴的であり、その姿から「コバンザメ」と呼ばれるようになりました。
コバンザメ (Echeneis naucrates) は、サメやウミガメ、大型魚にくっついて生活する不思議な魚。その特徴は、頭にある吸盤。実はこれ、元々背びれが進化したものなのです!
コバンザメは「水流を利用して吸着」し、他の動物にくっついて移動のエネルギーを節約することができます。
何のためにくっつくの?
コバンザメが他の生物に吸着するのには、少なくとも三つのメリットがあります。
- 移動エネルギーの節約 – 満足に海を泳げないこの魚は、大型の生物にくっついて自然と移動している。
- 食料を獲得 – サメなどの食べ残しや、宿主の体表上の浮遊生物を食べている。
- 単独の防衛力 – 大型の生物にくっつくことで、自分自身を効率的に守ることができる。
コバンザメの味と食文化
コバンザメは一般的には食用として流通することが少ない魚ですが、食べると意外にも美味しいとされています。身は白身で適度な脂があり、刺身や煮付け、焼き魚として調理されることが多いです。特に皮目のゼラチン質が美味で、煮付けにすると味わい深くなるといわれています。
ただし、一部の個体には磯臭さがあるため、下処理が重要です。
前に食べてみましたが、臭みもなくめちゃくちゃ旨かったです。
コバンザメを好んで食べる地域
- 東南アジア:一部の漁村では一般的な魚として食卓に並ぶことがある。
- アフリカ沿岸地域:地元の漁師が食用として利用し、煮込み料理や干物として楽しまれる。
- 日本の一部地域:流通量は少ないが、漁師の間で食べられることがある。
人間とコバンザメの交流
- 海でダイバーをしていると、知らずに自分の足にコバンザメがくっつくことがあります!
- 一部の地域では、コバンザメを「生きた釣具」として大型魚やウミガメを捕獲する漁法も存在します。
コバンザメはただの「くっつく魚」ではなく、独自の進化を遂げた生き物であり、人間の生活にも影響を与える存在なのです。
参考文献
- ボウズコンニャクの市場魚貝類図鑑