魚市場ブログ
ズワイガニの解禁
冬が訪れると、日本海は特別な季節を迎えます。11月6日には、待ちに待った松葉ガニ(ズワイガニの雄)の漁が解禁となり、
海からの贈り物が山陰地方をはじめとする各地で水揚げされます。地域ごとにその名を変え、福井県の「越前ガニ」、石川県の「加能ガニ」としても知られるこのカニは、その場所ごとの誇りとして異なる名前で呼ばれています。
この地域特有の名前の背後には、各漁場が独自のブランドを作り出し、色とりどりのタグを用いることで、自分たちの産品を際立たせようとする努力があります。それはまさに、地域の漁師たちが自信を持って漁に励んでいる証拠です。
例えば、鳥取県で獲れる「とっとり松葉がに」は、赤字で名前が記された白いタグが特徴です。江戸時代からの記録に名を残すこのカニは、その歴史の重みと共に、私たちの食卓を彩ります。
「松葉ガニ」という名前の由来は複数ありますが、その細く長い脚や、カニの身が水に触れると松葉のように美しく広がる様子から来ていると言われています。これらの話は、このカニが持つ豊かな文化的背景を物語っています。
兵庫県の新温泉町にある浜坂漁港では、この季節が最も忙しい時期です。今年の初競りでは、なんと記録的な価格である1匹1000万円でカニが競り落とされました。
あと忘れてはいけないのがセコガニ!
メスのズワイガニ!資源を守るため、漁期が11月6日から年末の12月31日までと短く松葉ガニは、毎年11月上旬で3月20日と期間がありますが、メスは短いのです。この期間を逃すと、次の機会はまた来年となるため、この時期のカニはまさに季節限定の珍味といえます。
地方によっては呼び名も異なり、能登地方ではズワイガニのオスを「加能ガニ」と呼び、メスは「コウバコガニ」と呼ばれています。このように、地域ごとに異なる名称を持つことは、その地域独自のカニ文化が息づいていることの表れです。
この冬の味覚を求めて、短い漁期の中で水揚げされるメスのズワイガニを堪能するのは、季節を感じるための一つの方法です。貴重なこの時期にしか味わえない、地域の自然の恵みをぜひお楽しみください。